うおおアンサンブル

三国志11PK動画「呂玲綺で英雄集結いってみよう」別館

州泰

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「また功業を立つるを好み,善く兵を用う」

――陳寿三国志 魏書・州泰伝」より




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特技:なし

すごい人みたい、だけど

演義においては一武将くらいの出番しか与えられておりませんが、魏書では鄧艾伝に付伝というかたちではありますが立伝されています。 「また功業を立つるを好み,善く兵を用う」というくだりや、征虜将軍まで昇り死後には衛将軍を追贈されているところから見て、その力は高く評価されていたのでしょう。

その割には少々地味なパラメータですが、ゲームバランスを考慮すると仕方のないことかもしれませんね。末期のシナリオで魏晋関係者を馬鹿正直に強くしてばかりいると、国力の差があまりに激しくなりすぎてしまいますし……。

雑草魂ここにあり

彼は平民出身でしたが、裴潜(裴松之のご先祖様)に取り立てられ、司馬懿の目に止まり、そこから一気に出世していきます。
この辺、実力主義であることが伝わってきていい感じですね。東晋辺りになると愚にも付かない身分主義国家になるわけですが、やはりこの頃の司馬一族は冴えています。

しかし出身故の軋轢も結構あったようで、州泰伝に引く世語によると「仕官してとんとん拍子に出世して、子供が乗り物に乗ってるみたいだねえ?」とおちょくられたことがあったそうです。しかし州泰の凄いところはそこで萎縮しなかったところで、おちょくってきた相手を「いい家に生まれたのにちょっとした文才でやっと官僚になった程度で、猿が牛に乗ってるみたいだねえ?」と正面からドツキ返しています。
この相手を世語は鍾繇と書いていますが、若干時代が合いませんし性格的にもなんか違くね? という感じなので、たとえばWikipediaでは鍾会じゃないのかと推測されています。

これ、本当に鍾会だとしたらえらいことですねえ……。可哀想に、彼のプライドは木っ端微塵に粉砕されたことでしょう。叩き上げの人間が内に秘めた雑草魂を舐めてはいけないということですね。






字は伝わっていませんが、彼が平民出身だったことを考えると元々持っていなかったのかもしれません。
そんな彼が追贈とは衛将軍の肩書きを得て、こうして歴史書にもその名を残していることは大変面白いですね。